最近、ポール・シュレーダー監督の映画『MISHIMA』を部分的に見たのだけど、これも大学生のころに見たので20年ぶりくらいに見たことになる。そのフィリップ・グラスの音楽がやたらよかったので、いきなりグラスをいろいろ聴き直したりしている。
映画は、三島由紀夫が自刃した1970年11月25日の一日を描き、そこに『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』のエピソードが挿入されている。最後の演説のシーンで、『太陽と鐵』のエピローグ「F104」がオーヴァーラップし、切腹のシーンでは、最後にそれら三作品がフラッシュバックし、飯沼勲が切腹すると真っ赤な太陽が昇り、エンディングへと接続される。シナリオがすばらしい(ディティールはちょっと思うところも少しあるが)。いろいろな理由から日本での公開およびDVDなどのソフトの販売も行なわれていないが、公開を切に望む。
 
Mishima: A Life In Four Chapters (1985 Film)決定版 三島由紀夫全集〈41〉音声(CD)