ハードスタッフ 第12号―先端的硬派雑誌

かつて、映画『地球に落ちてきた男』の1シーンを表紙にあしらった、一色刷り、文字がぎっしりとつまった冊子を三軒茶屋レコード屋フジヤマで見つけ、購入した。巻頭特集が「1980年前後の関西アンダーグランド音楽シーン」だったからなのか、表紙に関心を持ったからなのか、忘れてしまったが、本自体がなにか特別な雰囲気を持っていたことはたしかだった。それは、徳島でこの本を作られた小西昌幸さんの真摯な態度が誌面から伝わってくる、ある種のこだわりの産物であるが、それこそが原動力であり、それが基本となる姿勢なのだということを思い知らされたものだ。
 
それから15年、しかも、前号の11号が10年ぶりの発行だったということは、25年で2冊というそれだけのきわめて濃密な内容である。
 
巻頭には、「「怪奇大作戦/京都買います」を愛する全ての人々に捧げる。」とある。
 
今号の特集は、追悼総力特集《林直人夢の丘》。