Just Another Diamond Day


この一曲のみに参加しているフェアポート・コンヴェンションのデイヴ・スワーブリックのフィドルが好きだ。
このヴァシティ・バニヤンの復帰前の唯一のアルバムは、デヴェンドラ・バンハートや昨今の「フリー・フォーク」の流れの中で再発見されたもののようだが、新作は予想をいい意味で裏切って、そうしたシーンとは距離を置いた感じで制作されていたのがよかった。
ジョー・ボイドの制作によるこのアルバムは、非常にトラッド色が強く、フェアポート、ペンタングル、インクレディブル・ストリング・バンドなどの人脈のミュージシャンが参加している。バート・ヤンシュも最近では、先にあげたバンハートらにリスペクトされるミュージシャンだけど、個人的にはペンタングル系(そんな言葉があるか知らないけど)よりもフェアポート系の方が好きだった。とはいえ、フェアポートもリチャード・トンプソン脱退後はあまり興味が持てない。リチャード・トンプソン在籍最後のアルバム"Full House"は、いままでフロントに女性ヴォーカルを置いてきたフェアポートが初めて男だけのバンドになった作品だが、この緊張感溢れる演奏はやはり男だけになったからだろうな、と思わせる。おそらくトム・ヴァーラインは、"Full House"をもとにテレヴィジョンを作ったと思っているのは僕だけだろうか。
(まったく関係ない話でおちてしまった・・・けど、まあいいか)

    猟犬が吠えている 羊が草をはんでいる
    私は港の舟を数えている
    浮かんでいるそれらはこう言っているみたい
    「私は波を数えている、私は波を数えている」
    舟の上の男たち 彼らは妻たちに手を振って言う
    「私は時を数えている、時を数えている、一日時を数えている」
 
    私は波に座るかもめを数えている
    港の舟に囲まれて
    私は距離を数えている 
    私たちがそこにいるまで
    太陽と雨と雪
 
    種を落としてそれを育てる
    岩を落としてそれを砕く
    石に そして砂に


    そこが私が立っているのが好きな場所


"Where I Like to Stand"